1. 遺留分(いりゅうぶん)と遺留分減殺請求(いりゅうぶん げんさいせいきゅう)

遺言による遺産分割は、法定分割に優先するため、法定相続分に反した遺言も有効ですが、一部の相続人には、「遺留分」として、法律上保障されている最低限度の相続分があり、これを侵害された相続人は、侵害した他の相続人などに対して、その侵害された部分を請求することができます。(遺留分減殺請求)

これは、被相続人の自由な財産処分を無制限に許すと、残された相続人の生活が困窮するだろうという配慮から規定されたものです。

遺留分減殺請求は、相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内に、贈与などを受けて遺留分を侵害している相手に対して請求しなければなりません。なお、遺留分減殺請求権は、相続開始のときより10年で消滅し、請求したことが証明される方法(内容証明郵便)で行使する必要があります。

  遺留分権利者 遺留分の割合
相続人が直系尊属だけの場合 被相続人の財産の1/3
その他の場合(※) 被相続人の財産の1/2
※被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。

(具体例)夫の死亡により、全財産を長男に相続させるという遺言があった場合

(相続人=妻、長男、長女、次女、遺産総額1億2千万円)
法定相続分 遺留分 遺言による指定相続分 遺留分減殺請求額
妻  1/2 1/4 3千万(=1.2億×1/4)
長男 1/6 1/12 (1億2千万円から5千万減殺)
長女 1/6 1/12 1千万(=1.2億×1/12)
次女 1/6 1/12 1千万(=1.2億×1/12)

2. 特別受益

相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、生前に特別な贈与(大学院の学費、留学の費用、住宅取得資金、結婚時の持参金など)を受けたりした人がいた場合に、相続に際して、この相続人が他の相続人と同じ相続分を受け取るとすれば不公平になります。これら遺贈や贈与など特別な受益を相続分の前渡しとみて、それらを相続財産に持ち戻し(上乗せ)をして相続分を計算する制度のことです。

3. 寄与分

相続人の中に、被相続人の事業に協力し財産を増やすことに貢献した人や、被相続人の生前に介護や看護をした人がいた場合(「親の面倒をみた」というような、どこの家庭でもみられる程度の貢献は対象にはなりません。)、法定相続分に財産を上乗せすることが認められることがあります。これを「寄与分」といいます。寄与分を受けられる人は、相続人に限られ、相続人でない人、相続放棄をした人は寄与分の権利を主張することはできません。

4. 遺言執行者

遺言において、遺言執行者が指定されていれば、その遺言執行者が遺産を管理しつつ、分割のために必要な手続きを行うことができます。通常なら、相続人全員の承諾や印鑑証明書の取得など、煩雑な手続きが必要なことも、遺言執行者が決まっていれば一人で対応でき、遺産分割がスムーズに実行できます。なお、せっかく公正証書で遺言を作成しても、遺言執行者が記載されていないと、家庭裁判所で選任してもらわなければなりません。

遺言執行者は未成年者および破産者以外はなることができますが、相続手続きの実行にあたっては、利害関係が複雑にからむことが多く、手続きがスムーズに進まないおそれがありますので、相続について利害を持っていない、そして相続に関して知識と経験がある人を指定するのが望ましいでしょう。

遺言執行者には、ぜひ行政書士をご指名下さい。

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